昭和30年代に定着した不思議な地名の謎
地球岬から5分ほど移動して、7時25分にトッカリショ展望台に到着である。
地球岬の話はこちら▼

またしても「ピリカノカ」の指定地だ。
アイヌ語で「美しい形」を意味する、この神聖な場所のカテゴリーである。

自然の中にある特別な山や岩などが、アイヌ民族にとって精神文化のよりどころとして大切にされてきた場所を指すのだという。
トッカリショという地名が、なんとも響きの良い名前である。
消えたアザラシ岩と磯の記憶
「トッカリショ浜」の地名由来がまた面白い。
かつてアザラシのような岩があったことに由来するという説がある。
「トッカリ(アザラシ)」プラス「ショ(磯)」で「トッカリショ」である。
なるほど、アザラシの磯という意味になる。

ということは、昔はここにアザラシそっくりの岩があったということだ。
今はもうその岩は見当たらない。
自然の力で崩れてしまったのか、それとも人為的に取り除かれたのか。
消えてしまった岩の面影を想像しながら浜を眺める。
昭和30年代に定着した現代の地名

現在の場所に「トッカリショ」という名前が定着したのは、昭和30年代のことらしい。
意外と最近の話である。
アイヌ語由来の地名だから、もっと古くからこの名前で呼ばれていたのかと思っていた。
地名というやつは、案外複雑な経緯を辿るものなのだな。
昭和30年代といえば、高度経済成長の真っ只中である。
その頃にこの美しい浜の名前が決まったというのも、なんだか感慨深い。
文化的価値と景観的価値を併せ持つ浜

この浜もまた、ピリカノカとして指定されるほどの価値ある場所とされている。
文化的にも景観的にも価値があるのだという。
朝の光の中で見る浜辺は、確かに美しい。
波が静かに岸に打ち寄せ、遠くには断崖絶壁が続いている。
アイヌの人々がここを特別な場所として大切にしてきた理由が、なんとなく分かるような気がする。
自然の造形美と、そこに込められた文化的な意味。
両方が揃ってこそ、本当の意味での「美しい形」なのだろう。
アザラシ岩は消えてしまったけれど、その記憶と共に語り継がれる場所である。

トッカリショ基本情報
トッカリショは室蘭市の絵鞆半島にある絶景の景勝地で、高さ100メートル級の断崖絶壁が海に面する壮大な自然景観として知られています。
項目 | 詳細 |
---|---|
正式名称 | トッカリショ(トッカリショの奇勝) |
所在地 | 〒051-0003 北海道室蘭市母恋南町3丁目 |
地名の由来 | アイヌ語「トカル・イショ」(アザラシの岩)から |
地形特徴 | 高さ100m前後の切り立った断崖絶壁が580mに渡って連続 |
景観の特色 | 海の青色・笹の緑色・灰色の断崖の美しいコントラスト |
植生 | クマザサが断崖上を絨毯のように覆い尽くす |
選定地位 | 室蘭八景の一つ 国指定名勝「絵鞆半島外海岸ピリカノカ」の構成要素 |
営業時間 | 24時間散策自由 |
入場料 | 無料 |
駐車場 | 普通車10台(無料) 大型車不可 |
お問合せ | 0143-25-3320(室蘭市) |
アクセス | JR母恋駅から徒歩35分・車10分 室蘭ICから車30分 道南バス地球岬団地バス停から徒歩15分 |
関連サイト

おすすめ記事





