史的背景と政財界との関わり
達古武オートキャンプ場は、北海道釧路湿原国立公園内の達古武湖畔に位置し、キャンプ場としては草分け的な歴史を誇る施設である。この地の歴史は興味深く、元々は元内閣総理大臣・米内光政と元海軍制服組によって1946年(昭和21年)4月に発足した北海道牧場株式会社(通称 霞ヶ関牧場)の農場跡地であった。しかし1952年(昭和27年)に経営破綻し、現在オートキャンプ場として生まれ変わったという、政財界の著名人が関わった特異な歴史を持つ。
この農場の元の土地所有者は杉田巻太郎(大垣共立銀行監査役)で、明治末期に安田善次郎の勧めでこの地を購入し、別荘を設置していた。太平洋戦争終戦後、杉田巻太郎の子・杉田主馬(米内の海軍大臣期の副官)らの勧めで米内光政が経営に参加したという、まさに歴史の舞台となった土地なのである。
釧路湿原の自然と湖畔の絶景

釧路湿原の自然と湖畔の絶景が最大の魅力で、達古武湖に面したフリーサイトからは最高のロケーションを楽しむことができる。この湖の名前はアイヌ語の「タㇷ゚コㇷ゚(tapkop)」(ぽこんと盛り上がっている小山)に由来し、湖の北側に釧路川に向かって伸びる丘陵の先が盛り上がっている様を表している。海の後退による海跡湖として形成された達古武湖は、釧路湿原の東側に位置し、野鳥観察や自然散策の絶好のスポットである。
充実した施設と多様な宿泊スタイル

施設面では多様な宿泊スタイルを提供しており、オートサイト25区画、フリーサイト約80張、ロッジ5棟、簡易バンガロー10棟を完備している。センターハウスには売店、軽食コーナー、コインランドリー、シャワー施設があり、カヌーやマウンテンバイクのレンタルも可能である。リーズナブルな料金設定も魅力で、入場料は大人100円、小・中学生50円、オートサイト1,290円、フリーサイト640円と道東エリアのキャンプ場の中でも良心的な価格である。
アクセス抜群で楽しめるアクティビティ
アクセスは釧路市内から車で約30分と便利で、道央のキャンプ場と比べてサイトやロッジなどの施設利用料金が安いのも特徴である。焚き火・花火・ペット同伴も可能で、カヌー体験や遊歩道散策、夏はバードウォッチング、冬はワカサギ釣りなど四季を通じて自然体験を楽しめる。

キャンプ場内の遊歩道から夢が丘展望台までは全長2.3kmの自然散策コースがあり、釧路湿原の壮大な景色を一望できる。現在も釧路湿原の動植物観察拠点として、そして道東観光の中継地として多くのキャンパーに愛され続けている。歴史ある土地に息づく大自然と充実した施設、そして手頃な料金で楽しめる達古武オートキャンプ場は、まさに釧路湿原観光の理想的な拠点といえるのである。
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
施設名 | 達古武オートキャンプ場 |
所在地 | 北海道釧路郡釧路町字達古武65-2 |
電話番号 | 0154-40-4448 |
開設期間 | 5月1日~10月31日 |
チェックイン/アウト | 15:00~ / ~10:00(11:00) |
予約受付 | 利用日の1ヶ月前から電話受付 |
アクセス | 釧路市内から車で約30分 釧路東ICから約17km JR細岡駅から車で約15分 |
料金 | 入場料:大人100円、小・中学生50円 オートサイト:1区画1,290円 フリーサイト:1張640円(5人用まで) ロッジ:1棟3,780円(4人用) 簡易バンガロー:1棟2,200円(2人用) |
サイト数 | オートサイト25区画、フリーサイト約80張 電源付きサイト9区画 |
宿泊施設 | ロッジ5棟、簡易バンガロー10棟 |
主要施設 | センターハウス、炊事場、水洗トイレ、温水シャワー コインランドリー、売店、軽食コーナー、自動販売機 多目的広場、カヌーポート |
レンタル用品 | カヌー、マウンテンバイク、テント、マット、寝袋など |
利用可能アクティビティ | 焚き火(焚き火台使用)、花火、ペット同伴可 カヌー体験、遊歩道散策、バードウォッチング 星空観賞、ワカサギ釣り(冬季) |
周辺環境 | 釧路湿原国立公園内、達古武湖畔 夢が丘展望台(遊歩道2.3km) |
歴史的背景 | 元・北海道牧場株式会社(霞ヶ関牧場)跡地 米内光政元首相らが経営に関与した農場の転用地 |
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