【知床】知床自然センター ― 世界自然遺産の玄関口で自然を学ぶ

青空の下に建つ知床自然センターの外観。入口横には知床半島の地図看板が設置されている。

7時45分、まだ人影の少ない知床自然センターに到着。開館は8時、入口の前で深呼吸をひとつ。

すでに3組ほどがレンタルシューズを手に、フレペの滝遊歩道へ向かっていった。昨日はヒグマの目撃があったらしく、館内ではまるで天気予報のように「ヒグマ出没カレンダー」が掲示されている。知床ではこれも日常の風景らしい。

知床自然センターに掲示されたフレペの滝遊歩道のヒグマ出没状況カレンダー。クマのイラストと出没時間が日ごとに記されている。
フレペの滝遊歩道のヒグマ目撃情報は、天気予報のようにカレンダー形式で共有されている。知床ならではの注意喚起だ。

8時半からは、館内シアター「メガスクリーン キネトコ」で上映される映画『知床の冒険』を鑑賞(通常650円、JAF会員550円)。高さ12m・幅20mの大画面いっぱいに広がる知床の四季は圧巻だ。映像を通して、人間と自然の距離感、そして守るべきものの大きさを改めて考えさせられる。

知床自然センター内のメガスクリーンキネトコ入口。上映案内やポスターが並び、大型モニターには流氷の映像が映し出されている。
高さ12m・幅20mの大画面で知床の四季を体感できる「メガスクリーン キネトコ」。観光前に見ると知床散策がさらに楽しくなる。

上映後、知床の自然保護活動「ノノオト」の展示に足を止める。代表は1991年生まれという若さで、すでに全国から億単位の寄付を集めているという。知床の自然を未来へ残すための情熱と行動力に、静かに胸を打たれた。

ノノオト ― 野の音がつなぐ生命
風が木々を抜ける音、ヒグマの足音、海の生き物の吐息。
すべての命は、音を残して生きている――そんな声なき声を拾い、未来へつなぐ活動。

道路上のビニール袋らしき物を嗅ぐヒグマの写真。背景には速度表示の数字「40」が見える。
人間の生活ごみが野生動物の行動に影響を与える瞬間を捉えた一枚。

ノノオトの詳細はこちら

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9時10分、センターを後にし、次の目的地へ。


目次

知床自然センターとは

知床自然センター館内の休憩スペース。奥にはTHE NORTH FACEやHELLY HANSENのショップが見える。
知床自然センター館内には休憩スペースやアウトドアショップ、カフェが併設され、観光前後のひとときを快適に過ごせる。

知床自然センターは、世界自然遺産・知床国立公園の入口に位置するビジターセンターで、1988年に設立された知床財団が運営している。
1977年に始まった「しれとこ100平方メートル運動」をはじめ、知床の自然保護活動の拠点として歴史を刻んできた。2005年の世界自然遺産登録時にも重要な役割を担い、2016年には「フィールドを知り、楽しむための国際ビジターセンター」として大規模リニューアルを行った。


主な施設・サービス

  • シアター:「メガスクリーン キネトコ」で四季や野生動物をテーマにした映像を上映
  • ショップ&カフェ:THE NORTH FACE / HELLY HANSEN知床店、BARISTARET COFFEE SHIRETOKO
  • 散策路の起点:フレペの滝遊歩道(往復2km)、開拓小屋コース(往復5km)
  • 情報提供:ヒグマ出没カレンダー、旬の自然情報を提供するレクチャーコーナー
  • Wi-Fi完備:観光前の情報収集に便利

基本情報

項目詳細
正式名称知床自然センター(Shiretoko National Park Nature Center)
所在地北海道斜里郡斜里町大字遠音別村字岩宇別531
運営公益財団法人知床財団
開館時間夏期 8:00~17:30/冬期 9:00~16:00
休館日年末年始、12月の毎週水曜日
駐車場乗用車182台、大型バス5台(無料)
入場料無料(映像上映は500円~)
アクセスJR知床斜里駅からバスで約1時間10分、ウトロ市街地から車で約10分

旅メモ
単なる観光案内所ではなく、知床の「守る現場」に直結している場所。
映像で感動して、そのまま募金箱にコインを落とす――そんな流れが自然にできる拠点だった。

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