天空の湖に、ふと立ち止まる
山道を登っていくと、視界がひらけ、そこにぬるりとした静けさをまとった湖面が現れる。
光が差せば緑に、雲が落ちれば青に、風が吹けばそのまま揺れて──
ひとことで言えば、「湖が呼吸している」ような場所。
然別湖(しかりべつこ)。
それは、北海道で最も標高が高い天然湖であり、自然そのものが主役の観光地である。
然別湖の基本情報と成り立ち

北海道大雪山国立公園の奥深く、標高約810mにたたずむ然別湖は、約6,000〜10,000年前の火山活動で生まれた堰止湖です。
周囲は約13.8km。北海道の湖としては珍しく高地にあるため、**「天空の湖」**とも呼ばれています。
湖面の透明度はきわめて高く、晴天時には空と山々が映り込み、エメラルドグリーンから紺碧へと変化するグラデーションが楽しめます。
ただ“水があるだけ”なのに、なぜこんなにも見入ってしまうのか──
それが、然別湖の魔力かもしれません。
出会える動物と、然別湖だけのいきもの
然別湖はまた、野生動物の宝庫でもあります。
固有種であるミヤベイワナ(オショロコマ)をはじめ、ナキウサギ、オジロワシ、エゾシカなど、多様な生き物が暮らしています。
耳を澄ませば、小さな足音や羽ばたきが、静かな湖畔に響くことも。
然別湖でできるアクティビティ

春から秋にかけては、カヌー・カヤック体験や、湖畔トレッキング、星空観察、バードウォッチングが人気。
湖上をゆっくり滑るように進むカヌーは、“水に浮かぶ静寂”そのもの。

また、然別湖ネイチャーセンターでは自然体験プログラムも充実しており、初心者でも安心して参加できます。
冬の然別湖コタンという奇跡
湖が完全に氷結する冬、ここには**“氷の村”が現れます**。
その名も「然別湖コタン」。
氷と雪でできた露天風呂、アイスバー、氷の礼拝堂──
幻想的な夜の光に包まれたその空間は、北海道でもここにしかない非日常。
氷上に湯けむりが立つ風景は、一生忘れられない体験になるはずです。
周辺施設・アクセス情報
然別湖周辺には、温泉宿やロッジ、キャンプ場もあり、長期滞在の拠点にもぴったり。
帯広市からは車で約80分、新得・鹿追方面からもバス路線あり。
道中の扇ヶ原展望台や、山田温泉跡、鹿の湯などの“秘湯巡り”もあわせて楽しめます。


然別湖の基本データまとめ
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | 北海道河東郡鹿追町然別湖 |
標高 | 約810m(北海道内の天然湖としては最も高所) |
湖の成り立ち | 火山活動による堰止湖(約6,000-10,000年前形成) |
周囲 | 約13.8km |
アクセス | 帯広市内から車で約80分/新得・鹿追からバス等も利用可 |
主なアクティビティ | カヌー・カヤック・釣り(解禁期間有)・トレッキング・星空観察・冬季イベント |
宿泊 | 湖畔に温泉旅館・ロッジ・キャンプ場など |
観光シーズン | 年間(夏、秋、冬は特に魅力的。冬は湖が結氷し特設会場出現) |
周辺施設 | 然別湖ネイチャーセンター、展望台、飲食店、遊覧船等 |
特徴 | 圧倒的な自然・高い透明度・固有種・多様な野生動物・四季の絶景 |
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