糠平湖|水鏡に映る朝と、森の呼吸を感じて

糠平湖に映り込む雲と山々の幻想的な風景
目次

大雪山のふもとで、時が止まる静けさに出会う

ノマドマ

大雪山国立公園内の糠平湖で迎える静かな朝。水鏡に映る空、森の気配、旧士幌線の記憶が交差する絶景を体感。
よければ、一緒に旅気分を味わってみてください。

湖と静けさと裸足の朝

2025年7月21日、朝5時55分。
前夜の糠平野営キャンプ場で土色になった足を洗うべく、湖畔の駐車場に立った。

糠平湖駐車場とヒグマ珈琲の木造建物、白い軽バンが停まる朝の風景
静かな朝の糠平湖駐車場。左手のログハウスが「ヒグマ珈琲」。深い森と湖に囲まれた空間に、焙煎の香りが似合う。
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目の前に広がる糠平湖は、音もなく、風もなく、ただ静かに空を映していた。

「ここって…大雪山国立公園の中なんやな」

その場でそう思った。いや、きっと前から知ってた。けれど、“体で実感した”のは初めて

朝日に照らされる糠平湖と白樺の木。湖面に山並みと空が映る幻想的な風景。
早朝の糠平湖。白樺の木越しに、静けさと神秘さが広がる湖面を眺める。
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糠平湖の成り立ちと命の気配

糠平湖は、1955年(昭和30年)にダム建設で生まれた湖。
エゾマツやトドマツ、ミズナラの森に囲まれたこの地は、まさに北海道らしい風景が広がる場所。

  • 動物:エゾリス、キタキツネ、エゾシカ
  • 魚類:ワカサギ、ニジマス

湖畔を歩けば、森と水が交わる境界線に、命の気配がそっと残っている。

糠平湖の水面に青空と雲が映る風景、対岸には濃い緑の木々と明るい草地
雲を映す糠平湖の水面と、対岸の緑が広がる草地。夏の光に包まれた、静かな朝のひととき。

幻想的な糠平湖

早朝の糠平湖は、特別な静けさに包まれていた。風もなく、水面はまるで鏡のよう。空と森を映し出すその姿は、言葉を失うほど幻想的だった。

訪れたのは新緑の季節。芽吹いたばかりの木々が光を浴びて輝く様子もまた、美しい。でもきっと、紅葉の頃にはまた違った彩りが湖面を染めることだろう。

冬の糠平湖は一変して、全面が氷に覆われる。ワカサギ釣りも楽しめるそうだが、まだその光景は知らない。もし冬に訪れることがあれば、ここにその続きを書きたいと思う。


旧士幌線のアーチ橋と、もうひとつの旅

蒸気機関車が糠平湖を横断する士幌線のカーブを走行中の様子
かつて存在した国鉄士幌線。
蒸気機関車が白煙を上げながら、糠平湖のほとりを大きくカーブし横断していく姿は、
自然と鉄道が共存していた時代を物語る一瞬。
今はもう見られない風景。

糠平湖周辺には、かつての旧国鉄士幌線の廃線跡が残っている。
中でも「タウシュベツ川橋梁」を筆頭に、いくつものアーチ橋梁群が湖を取り囲むように眠っている。

これらは、自然と調和した歴史遺産として北海道遺産にも登録されている。

朝の静けさの中に、鉄道の記憶と湖の呼吸が交差する場所
そんな旅の始まりに、糠平湖はふさわしかった。

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糠平湖 基本情報

糠平湖は、北海道上士幌町の標高約520メートルの高原地帯に広がる人工湖で、1955年に水力発電を目的として建設された糠平ダムによって誕生した。

湖の面積はおよそ8.2平方キロメートル、最大水深は60~70メートルに及ぶ。

湖畔にはぬかびら温泉郷が隣接し、春から秋にかけては釣りやカヌー、散策が楽しめ、紅葉の時期には山々と湖の調和した風景が美しい。季は湖上でワカサギ釣りや、氷の中に閉じ込められた空気の泡「アイスバブル」観察が人気だ。

また、湖畔周辺には「タウシュベツ川橋梁」など旧国鉄士幌線のアーチ橋群が点在し、趣ある景観を形成している。涼しい気候と多彩な自然体験が魅力である。

項目内容
名称糠平湖(ぬかびらこ)
位置・住所北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷
標高約520m
湖の種類人工湖(糠平ダムの建設により1955年に誕生)
面積約8.2km²(8.22km²とも表記あり)
周囲長約33〜34km
最大水深約60~70m
湖の用途水力発電(糠平ダムにより十勝地方の電源)
所属公園大雪山国立公園
主な魚種ニジマス、ヤマメ、ワカサギ、サクラマス、ブラウントラウトなど
主な見どころタウシュベツ川橋梁(幻の橋)、アイスバブル、きのこ氷
レジャー釣り(年間を通して可)、ワカサギ釣り(冬・湖面凍結時)、紅葉、自然観察、温泉街   
アクセスJR帯広駅からバス約1時間40分、「ぬかびら温泉郷」下車後徒歩5分/帯広駅から車で約77分
駐車場湖畔園地付近に10台、ひがし大雪自然館30台、温泉街スキー場800台等(無料あり)
連絡先01564-7-7272(上士幌町観光協会)、01564-4-2261(ひがし大雪自然ガイドセンター)
入場料無料
ベストシーズン夏(釣り・自然観察)、1月~2月(アイスバブル・ワカサギ釣り)
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