明治の香りが残る最古の木造駅舎に立つ
昨日の夜の室蘭やきとりの余韻がまだ残っている朝、なぜか自分は旧室蘭駅舎の前に立っていた。
普通ならまだ布団の中にいる時間なのに、旅は時に人を早起きにさせる。
この駅舎、見た目からして只者ではない。北海道に現存する最古の木造駅舎で、1912年(明治45年)から1997年(平成9年)までの約100年間、現役で人々の往来を支えてきた。
白壁と木造のコントラストが実に味わい深く、寄棟造りの屋根には「がんぎ」と呼ばれる雪国仕様の庇が付いている。
札幌時計台の兄弟分?明治洋風建築の面影

この駅舎は3代目で、札幌時計台と同じく明治の洋風建築の雰囲気をまとっている。
なるほど、確かにハイカラな印象がある。西洋を懸命に真似して生まれた、独特の建築様式。完璧ではないが、それが逆に愛らしく、文化遺産としての価値を高めている。
現在は室蘭観光協会が観光案内所として利用しており、2019年には日本遺産「炭鉄港」の構成文化財に認定された。
地球68周分を走った不屈のD51

駅舎の隣には、威風堂々とD51 560号機が保存されている。1940年に札幌の苗穂工場で生まれ、北海道各地を駆け抜けた機関車だ。
その総走行距離はおよそ273万キロ――地球にして68周分。数字にすると現実感がなくなるほどの距離である。

石炭の積み出し港として栄えた室蘭にとって、この蒸気機関車はまさに街の歴史そのもの。全国からの支援を受け、2019年にこの地へ保存されたこと自体が、多くの人に愛されてきた証だろう。

朝の静寂に響く鉄道ロマン
朝の冷たい空気の中で、駅舎とD51を眺めていると、不思議と胸が熱くなる。
明治から令和まで、この場所で旅立ちと帰郷を繰り返した人々がいた。D51は北海道の大地を走り抜け、暮らしを支え続けた。
旅の醍醐味は、こうした歴史の重みを現地で感じ取ることにあるのかもしれない。
そして今、旧室蘭駅舎の朝に佇むD51は静かに語りかけていた。
――地球68周分の鉄道ロマンを、確かにここに刻んで。
旧室蘭駅舎基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
建設年 | 1912年(明治45年) |
位置づけ | 北海道内駅舎で最古の木造建築物 |
所在地 | 〒051-0022 北海道室蘭市海岸町1丁目5番1号 |
建築様式 | 寄棟造り(明治洋風建築) |
特徴的な構造 | 「がんぎ」と呼ばれるアーケード様式、六つの三角破風の屋根窓 |
外観 | 白漆喰の壁と木造部分のコントラスト |
現役期間 | 3代目室蘭駅舎として1997年(平成9年)まで稼働 |
文化財指定 | 1999年:国の登録有形文化財 2010年:JR北海道準鉄道記念物 2019年:日本遺産「炭鉄港」構成文化財 |
現在の用途 | 観光案内所・展示スペース・休憩所 |
開館時間 | 4月~10月:8:00~19:00 11月~3月:8:00~17:00 |
休館日 | 1月1日 |
入館料 | 無料 |
管理団体 | 一般社団法人室蘭観光協会 |
電話番号 | 0143-23-0102 |
アクセス | JR室蘭駅から徒歩5分、室蘭ICから車で20分 |
併設展示 | 敷地内にSL「D51560号」を展示 |
この駅舎は札幌時計台と同じ寄棟づくりの建築様式で、明治期の洋風建築の面影を残す貴重な建物として、現在も多くの観光客に愛され続けています。
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