ヌプカの里〜道の駅上士幌〜道の駅あしょろ銀河ホール21〜トプシの滝〜道の駅オーロラタウン93りくべつ~道の駅メルヘンの丘めばんべつ~天に続く道Heaven cafe~ビックマートみたに しゃり店~クリオネキャンプ場(斜里)

ヌプカの里で迎える星空の朝から十勝・陸別へ214kmを走破。松山千春の故郷、足寄での心の交流、そして陸別の道の駅での高速Wi-Fiノマドワーク。トプシの滝のアブとの遭遇から、猿回しとの出会い。そして斜里のライダーズハウスで北海道の大自然と繋がる、旅人ワーカーのリアルな移動と内省の記録。
よければ、一緒に旅気分を味わってみてください。
白樺の朝陽と千春の足跡、そしてノマドの机
2025年夏の北海道車中泊の旅(Part14)
6日目:2025/07/22 運転時間:約5時間5分 走行距離:約214km
ヌプカの里、星空と風のキャンプ場
3時半起床。まだ空は藍色で、朝日が雲の奥から少しずつ表情を変えていくのを眺めながら、4時には撤収作業に入った。昨夜は、あの満天の星に見惚れた。数えきれない星が天に吸い込まれていくような夜。時折、突風が吹いてテントが飛ばされそうになる。その風の音が、虫の羽音と重なって、自然の中にいるという実感を深めてくれた。
昨日、虫と格闘したアヒージョ風ステーキの油が体に残っていてギトギト。まずは風呂か、サウナか。いや、その前にコーヒーを飲みながら考えたい。今日のはじまりは、そのくらいの余白を持ってスタートするのがいい。
白樺の朝日と一本道、上士幌への爽快な走り
しほろで「新田小学校」の看板を見つけたとき、思わず車を停めて撮影した。大学時代の先輩の名前と同じだった。今は会津若松に移住してる人。その場で写真を送って、何気ないけど何か通じ合うようなLINEになった。
337号線を北上し、白樺の間から差し込む朝日の光。幻想的という言葉すらもこぼれてしまう美しさ。道はまっすぐ、時間はゆっくりと流れている。上士幌のセブン-イレブンでホットコーヒーを買って、車に戻る。口に運ぶたびに冷たい空気と熱い液体が交差して、旅の朝がじんわりと染みてきた。
足寄の旧駅舎で、動かぬ女性と刻まれた足跡
6時10分、道の駅あしょろ銀河ホール21に到着。ここはRVパークもあるし、スーパーフクハラも裏にあるし、設備的にも整ってる。そして何より、松山千春の故郷。
「足寄駅」と書かれた建物に入ると、線路を向いて座るご年配の女性が一人。まったく動かない。最初、駅舎に設置された人形かと思ったほど。でも、ほんまの人やった。微動だにせず、ずっと線路を見てる。何を想ってたんやろか。
足寄という地名にちなんで作られた足型モニュメントたち。足を寄せて、記憶を残していく。大空と大地の中で……その歌碑には千春さんの手型と足型が埋められている。緑のボタンを押したけど、曲は流れなかった。音じゃなくて、想いを受け取った気がした。
《写真:足寄駅の足型モニュメントと千春の歌碑》
陸別、駅舎が呼吸する町でノマドワーク
7時48分、陸別町に入る。途中の「トプシの滝」は雑草が生い茂っていて、人の気配もなく、アブがすごくて長居できなかった。8時、道の駅オーロラタウン93りくべつに到着。銀河鉄道999の車両、サイロ、そして南極雪上車が迎えてくれる。
Wi-Fi速度は下り187mbps、上り16.1mbps。電源も各席にしっかり用意されていて、USB-A、USB-C、コンセントまで完備。ここでノマドワーク開始。仕事の隣で、年配の女性旅行者がひとり、イヤホンで何かを口ずさんでいる。顔を上げたとき、そっと笑顔で会釈してくれた。
風が当たってなかったので、そっと扇風機の向きを変えると、静かにうなずいてくれた。それ以上、言葉は交わさなかった。駅が呼吸しているように、人の記憶もこの町でそっと息をしている。
知床の青空と、おあずけプリン
10時40分、車内の熱でスマホの反応が鈍くなるほどの気温。駐車場に停めた車内で、「おあずけプリン」を開ける。プレーンとカボチャ、どっちもうまい。プレーンは昔のプリンアイスを思い出させてくれるノスタルジーの味。カボチャは新鮮な驚き。どっちか選べん。これからの仕事場、クリオネキャンプ場に電話してモバイルテントを予約した。
道中、日本甜菜製糖株式会社の美幌製糖所に立ち寄る。帯広のビート資料館の館長がつい最近までここにいたと聞いていたので、ちょっと挨拶がわり。今は誰もいなかったが、縁の場所を踏むのはなんとなく気持ちが引き締まる。
女満別の道の駅
正午に大空町に入り、12時10分には道の駅メルヘンの丘めまんべつへ。猿回しをやっていて、観客も演者も炎天下。見てるだけで汗が出る。アンテナショップでプチトマトを買い、流氷ドラフト、ゴールデンエールもゲット。
272号線を走り、知床に向かう。尖った斜里岳と、広く構える海別岳。どちらも動画と写真に収めた。こんなに晴れた知床は初めてかもしれん。
天に続く道で、鹿肉バーガーを頬張る
13時52分、天に続く道展望台に到着。Heavenという名の店で、エゾ鹿のチーズバーガーと知床流水サイダーを注文。ここで一息。カウンター5席、テーブル3組というミニマムな店構えが、道の果て感を引き立ててくれる。ハンバーガーの肉はしっかりしていて、でも臭みはない。知床らしい組み合わせに満足。
「なんもなんも」って、ええ言葉やな
地元スーパー「ビッグマートみたに」で買い物。にしんのきずし、山海わさび、つぶわさび、ゴボウきんぴら…。愛想のいいレジのお姉さんに氷のことを聞くと「魚屋さんからもらえますよ」と。いやいや、飲み物用なんですと伝えると、「それも普通の氷です」と。気さくなやり取り。最後に「ありがとう」と伝えたら「なんもなんも」って返ってきた。この言葉、ええなぁ。心がほどける。
クリオネキャンプ場と、湯の熱さと、ノマドの夜
15時半にクリオネキャンプ場チェックイン。名前の可愛さとは裏腹に、ライダーたちの拠点のような硬派な雰囲気もある。モバイルハウスに荷物を置き、斜里温泉へ。熱い。2階はもっと熱いらしいけど、それはもう結構(笑)。
戻ってから洗濯を回し、網走ゴールデンエールで喉を潤しつつ仕事開始。アロハシャツは濡れてたけど、そのまま着たら気持ちいい。体温で乾かす作戦や。
ここはWi-Fiの速度もよく、電源もある。道内ノマドベースのベスト3に入るやろな。夕食はビールとにしんのきずし、トマト、山海わさびなど。まったりしてたら、腕時計を温泉に忘れたことに気づく。ダッシュで戻る。ザ・昭和旅館風の温泉施設に現れたのは若い女性。インターホン越しに時計を渡してくれた。ホッとした。
管理棟の夜。洗濯機を静かに待つ人、一人晩酌の人、会社辞めた53歳と54歳のバツイチライダーの語らい、鹿児島から来た看護師のバイト女性、神戸在住のインターナショナルスクール数学教師のアメリカ人…。ここはまるで、旅人たちの交差点みたいだ。気づけばワイも、昆布焼酎を横にパソコンに向かってる。「一番変なやつ」かもしれんな(笑)
ほな、また明日!
今回訪問したところ
ヌプカの里(士幌高原)
士幌高原の自然に囲まれた体験型宿泊・キャンプ場施設。標高約600mからの十勝平野の眺望と、キャンプ・コテージ・ロッジ・レストランなど多彩なアウトドア体験環境が整っています。4月中旬~11月営業。
道の駅あしょろ銀河ホール21
足寄町市街中心部にある道の駅。旧ふるさと銀河線の足寄駅舎を活用したユニークな交流拠点で、特産品販売や鉄道展示、観光案内、カフェコーナーも併設。屋外テラスや無料Wi-Fiも利用可。
トプシの滝
足寄町の上利別地区、森の中に位置する落差約18mの滝。遊歩道・駐車場も整備され、秘境感あふれる自然美が間近で楽しめます。新緑や紅葉の時期に特におすすめ。
道の駅りくべつ
陸別町の国道242号沿い、鉄道体験が人気の道の駅。旧ふるさと銀河線「りくべつ鉄道」で実際のディーゼルカー運転も体験可能。宇宙関連の展示や、特産品コーナーも充実。冬は-30℃体験室も。
道の駅メルヘンの丘めまんべつ
大空町女満別の丘陵地に建つ道の駅。広い駐車場とピクニックに最適な芝生広場、カフェ・農産物直売所を併設。近隣の絶景「メルヘンの丘」とともに四季折々の田園風景を一望できる人気スポット。
天に続く道
斜里町峰浜から上斜里まで続く、一直線に伸びた全長約28kmの道。「天に向かって続く」ような絶景がSNS映えすると人気。夕日や雲海風景もおすすめのドライブ絶景ポイント。
Heaven cafe(ヘブンカフェ)
斜里町天に続く道の沿線にあるカフェ。ウッドデッキから絶景を眺めながら軽食・スイーツ・ドリンクが楽しめる。営業時間や定休は最新情報を事前に要確認。
ビックマートみたに しゃり店
斜里町市街のスーパーマーケット。地元食材・お土産も揃い、旅の補給拠点としても便利。営業時間や臨時休業は公式サイトまたは現地で要確認。
クリオネキャンプ場(斜里町)
オホーツク沿岸・斜里町にある海と森を感じる人気キャンプ場。広い芝生サイト、バンガロー・温泉・レンタルも充実。道の駅うとろシリエトクや知床へのアクセスも良好。
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