【北海道・白糠〜達古武】語られなかった町の風景と、湖畔で飲む利尻の酒

釧路・達古武湖に沈む夕焼け空。紫と朱色が溶け合う雲が湖面に映り込み、草原と山並みが静かにその余韻を受け止めている。

道の駅なかさつない〜十勝エアポートスパSora〜帯広市内〜浦幌〜白糠〜恋問〜達古武キャンプ場

目次

静かな寂しさと焚き火のいらない夜

2025年春の北海道車中泊の旅(Part13)
3日目:2025/06/23
運転時間:約3時間10分 走行距離:約190km

道の駅なかさつないで目覚める朝

道の駅なかさつない・カントリープラザの正面外観。両脇には料理道具を持った緑色のキャラクターの植栽オブジェが飾られている。

朝6時半、道の駅なかさつないで目を覚ました。昨日のうちに食べる予定だった「たらことカニのほぐし身バター醤油焼きおにぎり」を、ようやく一口かじる。冷えていても、たらこの塩気とバターの香りが口の中にじゅわっと広がった。

セイコーマートたさか店に寄ったが、ドリップコーヒーはなかった。その代わり、店頭のドアの前で佇んでいた一匹の猫がやたら印象に残った。静かに、でも存在感を持ってそこにいた。

ローソン中札内店でLサイズのコーヒーを購入し、ようやく目が覚める。


十勝エアポートスパSoraでサウナと仕事

十勝帯広空港近くにある温浴施設『十勝エアポートスパ SORA』の落ち着いた雰囲気の外観。広い駐車場とシンボルマークのあるファサードが特徴。

7時ちょうど、十勝エアポートスパSoraに到着。フェイスタオルとバスタオルつきで1000円。設備は清潔で、高級感すら漂う。サウナにはオートローリューとセルフローリューがあり、水風呂は札内川の伏流水。水温はおそらく15.5〜16度。冷たすぎず、心地よい。サウナ後、空を見上げて寝転がっていたら、身体から余計な熱がゆっくり抜けていく感覚に包まれた。

十勝エアポートスパ SORAの休憩スペース。窓際のカウンター席にノートパソコンとバックパックを置き、外の森と赤い屋根の建物が見える。

8時10分、風呂上がりのさっぱりした状態で休憩所へ。ここは電源付きの窓際デスクがズラリと並び、Wi-Fiも速い。実測値でダウンロード72.2mbps、アップロード9.36mbps。パソコン作業が快適すぎて、時間を忘れそうになる。

10時10分にSoraを出発し、いったん帯広へ戻る。


帯広での用事と準備

10時50分、ダイイチに駐車。13時には息子の車から初心者マークをお湯で丁寧にはがしてみると、これが思いのほかうまくいった。セリアでフェイスタオルと除湿バー、ワッツで吸盤式初心者マークを購入。

赤い車のリアに貼られた初心者マークを、スクレーパーと白いタオルを使って丁寧にはがしている様子。運転初心者期間の終わりを象徴する一幕。

13時半、電話で釧路の達古武キャンプ場を予約完了。

買い物を済ませ、食材と酒を積んで釧路に向けて出発したのは14時15分。


峠越えと白糠の静けさ

学園通りのセコマでノンアルと2kgのアイスを調達。そこから10kmほど走って右折。峠道へと差しかかる。相棒のハイゼットカーゴ・シロが唸りながら登っていく。「頑張れよ」と声をかけたくなる。

16時9分、190km走って14Lを給油。浦幌を抜け、白糠へ。

白糠。ここには“物語にならなかった町”の静けさがあった。夕張のような“見る者に訴える寂しさ”とは違う。ただ、そこに在る寂しさ。色褪せた看板、動いていない飲食店、そして湿地に揺れる葦。それがまるで、過去が過去のまま佇んでいるように見えた。

恋問に差しかかる手前、50年前の記憶がふと蘇る。白い壁のレストラン。もうやってないと思っていたら、入口に「営業中」の札が下がっていた。それが、なぜか嬉しかった。


達古武キャンプ場で出会いと晩酌

17時20分、達古武キャンプ場に到着。設営をしていると、熊本からキャンピングカーで来たというおじさんに声をかけられた。神戸を経由して舞鶴から小樽に行く途中らしい。神戸での過ごし方について話しながら設営を終えたのは18時40分。

釧路にある達古武キャンプ場の夕方、芝生のサイトに停めた白いハイゼットカーゴと、奥には炊事棟と木造キャビンが並ぶ穏やかな風景。

湖の向こうに夕陽が沈みかけていた。


焚き火も音楽もいらない夜

コットとワンタッチのソロテントを初設営。

釧路の達古武キャンプ場にて、白いハイゼットカーゴの横に設置されたコット上のポップアップテント。背景には炊事棟やログハウスが並び、夕暮れの柔らかな光が辺りを照らしている。

礼文島昆布焼酎をロックで一口。魚介をつまみにノンアルで乾杯。焚き火も音楽も要らなかった。ただこの空気と光こそが今日のご褒美だった。

達古武キャンプ場のテーブルで、ノンアルコールビールと焼酎の瓶、生キャベツや魚の刺身を並べて夕暮れの晩酌を楽しむ様子。

磯の香りがふっと漂ったのは、湖からだったか、皿の上のウニイカか、それとも焼酎が運んできた遠い記憶か——。


北海道のツンデレに応える夜

陽が沈むと、気温が急に下がる。Tシャツ短パンから一転、N3Bを着こむ。フリースじゃ足りない夜。合い物はいらない。北海道の夜には“極端”で応えるのが正解や。

釧路・達古武湖に沈む夕焼け空。紫と朱色が溶け合う雲が湖面に映り込み、草原と山並みが静かにその余韻を受け止めている。

マジックアワーがえぐかった。19時10分すぎ、空が赤く燃え、湖がその光を受け止めていた。軽バンの影が伸びていく。「もう今日はここでええよ」と空が言ってるようやった。

夕焼け空にオレンジの雲が広がる達古武キャンプ場。白いハイゼットカーゴと炊事棟がシルエットになり、ランプが点灯している。

テントの中から見る星がキレイで、テントの入り口を閉めたら、湿気がふわっと落ち着いた。今夜はN3Bのまま寝る。それが一番、ちょうどよかった。

ほな、また明日!

今回訪問したところ

道の駅なかさつない

十勝エアポートスパSORA

達古武キャンプ場

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