斜里のキャンプ場で、ネーミングに二度も騙された哀れな旅人

クリオネキャンプ場に停まっていたクラシックオープンカー
哀れな旅人

可愛い名前にまんまとやられた、、、まさか二回も、、、。

目次

ノマドワークをするつもりで早めにチェックイン

この日はノマドワークをするつもりで、15時早々にはキャンプ場へのチェックインを済ませた。

今回のワーケーションは北海道の斜里。知床から約20キロメートルほど離れた斜里岳の見えるキャンプ場。

斜里町の平野部から望む斜里岳。手前には一面に広がるそば畑の白い花が風に揺れている。
キャンプ場の周辺から見えた斜里岳の雄姿。

「クリオネキャンプ場」という響き

この響きを聞いた瞬間、私の脳内では勝手な妄想が始まっていた。透明で愛らしいクリオネのように、清楚で上品なキャンパーたちが集う洗練された空間。Wi-Fiもばっちり、カフェラテでも飲みながらノートPCをカタカタと――。

名前と現実のギャップ

ところが、である。

クリオネキャンプ場の入口看板
可憐な名前と裏腹に、素朴な雰囲気の入口。

キャンプ場に足を踏み入れた瞬間、想像とのズレを感じた。
看板や建物はきちんと手入れされていて、決して荒れてはいない。
だが私の脳内にあったのは、白やパステルカラーを基調にした清楚でおしゃれなキャンプ場の姿だった。

現実に広がっていたのはその逆。無骨な鉄馬やクラシックカーが集う、力強い空気感であった。

現実はウッディで無骨な雰囲気に包まれていた。まるでライダーハウスのような質実剛健さ。「むむ」と思いながらも、とりあえず管理棟でパソコンを広げた。

クリオネキャンプ場のログハウス管理棟内。丸テーブルの上にノートパソコンと扇風機が置かれ、奥にはソファ席や窓の景色が広がるノマドワーク環境。
木の温もりに包まれた管理棟の一角でノマドワーク。

昭和ライダーたちの登場

しかし30分後、私の淡い期待は粉々に砕け散ることになる。

ブオオオオオン!

マフラーの爆音が空気を切り裂いた。続いて現れたのは、革ジャンに身を包み、ヘルメットを小脇に抱えた昭和テイスト全開のライダーだった。

一人、また一人と――。

夕暮れのクリオネキャンプ場に停車する2台のバイクと、背後に並ぶモバイルハウス。ライダーたちの旅の拠点としての雰囲気が漂う。
キャンプ場を支配していたのは鉄馬にまたがる旅人たち。
クリオネキャンプ場に停まっていたクラシックオープンカー
バイクだけでなく、初期ルパン三世を彷彿とさせる無骨なオープンカーまで登場。

気がつけば管理棟は完全にライダーハウスと化していた。私だけが浮いている。ノートPCを前に途方に暮れる、場違いなノマドワーカー一名。

妄想の崩壊

「クリオネ」という可憐な名前に踊らされ、勝手な妄想を膨らませた末路がこれである。

現実は非情だ。クリオネキャンプ場は、優雅な海の天使ではなく、鉄馬にまたがる無骨な旅人たちの聖地だったのである。

クリオネキャンプ場の炊事場。ガスコンロや流し台、冷蔵庫、電子レンジなど基本的な調理設備が揃っている。
キャンプ場内の炊事場。調理道具も一通り揃っており、食材を持ち込めばしっかり自炊できる環境が整っている。

こうしてまた一つ、甘い期待が現実に叩き潰された記録が残った。斜里のクリオネキャンプ場で、かわいい名前にまんまと騙された。

だが、この“ネーミングに騙された”体験は、これで終わりではなかった。

期待したモバイルテントの正体

サイトで調べていたとき、グランピングやコテージの中に「モバイルテント」という見慣れない宿泊設備があった。説明にはこう書かれていた。

「約2畳の広さで快適空間を実現。電源・照明・鍵付き。」

画像を見るかぎり、テントというよりは小さなバンガローに見える。
これはきっと、Wi-Fiも備わり、デスクもあって、ノマドワークに最適な環境に違いない。
1泊1650円。安い。これだ!と迷わず電話で予約した。

鍵を開けてわかった現実

モバイルハウスの内部。両側に壁があり、床は板張り。シンプルながらも居心地の良い空間。
モバイルハウスの内観。鍵を開けると裸電球ひとつ、机もWi-Fiもなし。

実際に鍵を開けてみると、そこには裸電球がひとつ灯っているだけで、机らしきものは見当たらなかった。
壁にかかっている説明書には「携帯電話以外の充電は禁止」と書かれている。
もちろん、Wi-Fiパスワードが書かれた紙などどこにもない。

モバイルテントとは

クリオネキャンプ場のモバイルハウス12番の外観。木製のデッキと屋根付きのスペースが備えられている。
番号付きのモバイルハウス。“モバイル”の正体は移動可能式の小さなバンガロー。

「モバイルテント」とは一体なんなのか。再度ウェブサイトを確認してみると、どうやらこの小さなバンガロー自体が移動可能式であるらしい。

つまり“モバイル”とはノマドワークではなく、物理的に移動できるという意味だったのだ。

そっちかい!!

二度騙された哀れな旅人

名前の響きに二度も惑わされ、勝手に期待しては打ち砕かれる。その繰り返しのなかで、私はまたひとつの記録を残すことになった。

クリオネキャンプ場、ネーミングに二度騙された哀れな旅人。

※なお、管理棟のWi-Fiは快適に利用できました。

関連リンク

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