腹ごしらえという重要任務
2025年8月7日、13時10分。新冠温泉に到着。
息子と一緒に訪れたこの施設で、まずは腹ごしらえという重要任務が待っていた。前浜産のたこ丼を注文し、息子は海鮮あんかけご飯大盛という堂々たる食欲を見せつける。
空腹にしみる味とはよく言ったもので、旅の疲れを癒やしながら次なる目的地への英気を養う。
息子の大盛への挑戦を横目に見ながら、親としてはその成長ぶりを頼もしく思う。

温泉にも少しだけ立ち寄った。天気が崩れそうだったこともあり、長湯は避け、サウナを1回だけ体験して早々に切り上げた。
ほんの短い滞在ではあったが、汗を流すだけでも気持ちはリセットされ、次の目的地に向かう心構えが整った。
聖地への巡礼
14時25分、いよいよ新冠ビッグレッドファームへ足を向ける。
競馬ファンなら誰もが知る聖地である。到着してみると、なんと翌8月8日から18日まで見学休止との掲示が出ていた。今日は7日。まさにギリギリ間に合ったのである。
しかも到着時には雨が強まり、しばらく車内で待機。14時33分、小雨に変わった瞬間に見学を開始した。偶然がいくつも重なり、この巡礼は実現したのだった。
ゴールドシップの馬舎前にはやはり人だかりができていた。あの名馬の人気は健在である。多くの人々が静かに列を作り、まるで何かの儀式に参加しているような厳粛な空気が漂っていた。
名馬ゴールドシップとの邂逅
ゴールドシップといえば、破天荒なレースぶりと気まぐれな性格で知られる。ゲートで立ち上がったり、全力を出すかと思えば急にやる気をなくしたりと、愛すべき暴れん坊として多くのファンに親しまれた存在だ。
その彼が、今は引退馬として静かに馬舎に立っている。荒々しい現役時代を知っているからこそ、落ち着いた眼差しに強い感慨を覚える。息子と並んで「これがゴールドシップか」と小さく頷き合った。写真に残せない体験だからこそ、心の奥に刻まれる瞬間であった。
雨上がりの牧場という舞台
牧場には雨上がりの匂いが漂っていた。土の匂い、草の匂い、そして馬の匂いが混じり合い、時がゆっくりと流れている。都市の喧騒とはまるで別世界だ。放牧地では名も知らぬサラブレッドたちが静かに草を食んでおり、その姿に心が洗われていく。
息子も普段とは違う表情で、無言のまま馬たちを見つめていた。ここでは「写真を撮ろう」と声をかける必要もない。ただ同じ時間を同じ場所で過ごすだけで、父子の間に確かな絆が積み重なっていく。
デジタル時代への静かな抵抗
ビッグレッドファームでは撮影やSNSへのアップロードが禁止されている。最初は物足りなさを感じたが、やがてそれがかえって心地よくなっていった。
スマホを構えず、ただ目の前の名馬を見つめるという体験は、現代社会ではなかなか味わえない贅沢だ。
写真に残せないからこそ、記憶がより鮮明になる。ゴールドシップの存在感、雨上がりの牧場の静寂、息子と共に立ったあの時間。そのすべてが「心のアルバム」に刻まれていく。
心に残る体験
新冠ビッグレッドファームでのひとときは、単なる観光ではなかった。名馬たちと対峙し、デジタルから切り離された時間を過ごすことで、旅に新しい価値を見出したのである。
息子と共に歩んだこの時間は、写真には残らないが確実に心に残っている。時にはカメラを置き、ただ見つめることの大切さを教えてくれる場所。それが、この雨上がりの新冠で得られた最も貴重な学びだった。
ビッグレッドファームの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
正式名称 | 有限会社ビッグレッドファーム |
設立 | 1982年 |
代表者 | 岡田美佐子、岡田紘和 |
所在地 | 〒059-2425 北海道新冠郡新冠町字明和120番地の4 |
電話番号 | 0146-49-5601 |
FAX | 0146-49-5602 |
事業内容 | 競走馬の生産・育成 |
総面積 | 635ha |
繋養頭数 | 約500頭 |
従業員数 | 100名(2025年1月時点、パート従業員含む) |
見学時間 | 13:30~15:30 |
見学可能期間 | 年間見学可能 (ゴールデンウィーク期間中、お盆期間前後、年末年始は見学休止) |
見学申込み | 直接訪問可能(牧場への直接電話は不可) |
関連施設 | ・真歌トレーニングパーク(新ひだか町) ・浦和牧場(新ひだか町) ・鉾田トレーニングセンター(茨城県) |
冠名 | コスモ |
勝負服 | 赤、緑格子、赤袖 |
特徴:日本有数の馬産地である北海道日高地区に位置し、競走馬の生産から育成、調教まで一貫して行う大規模な牧場。種牡馬のゴールドシップをはじめ、多くの有名競走馬を輩出している名門牧場として知られている。
関連リンク

おすすめ記事





