朝からの出陣
2025年8月7日、午前9時5分。登別温泉の温泉街を抜け、登別クマ牧場の駐車場に到着した。駐車場代500円を支払いながら、まだ朝の空気がひんやりと肌を刺すのを感じる。
帯広に住む息子と合流し、入園料ひとり3000円という決して安くはない料金を支払ってロープウェイへ向かった。正直、この時点では「クマを見るだけだろう」と思っていた。

雲上への旅路
ロープウェイに乗り込み、山頂駅までおよそ7分の空中散歩。しかし、この日は小雨と濃い霧に包まれ、名物の倶多楽湖は影も形も見えない。

まるで雲の中を漂うような不思議な体験である。「せっかく来たのに景色が…」と心の中で嘆きながらも、これはこれで幻想的な雰囲気を楽しむことにした。
予想外の充実ぶり
山頂に到着すると、そこには予想以上の世界が待っていた。クマの展示だけではなく、生態や歴史を解説する充実した資料館が整備されている。

展示を見ながら息子と「へぇ、そうなんや」と何度も感心する。登別温泉の観光地としての厚みを、ここで改めて感じた瞬間だった。

エサやりという名の誘惑
運命の誘惑は「クマのエサ200円」の看板。1袋で十分と思っていたのに、気づけば2袋を購入していた。熊たちが両手を上げたり、座って待ったりする姿があまりに愛らしく、財布の紐が完全に緩んでしまったのだ。

「もう1袋いくか?」と心が追い打ちをかけてくる。霧の中で人間と熊の不思議な交渉が続いていく。
霧の中のふれあい
絶景倶多楽湖は見えなかったが、その代わりに霧に包まれた幻想的な空間で、熊との特別なふれあいがあった。エサを投げるたびに霧の向こうから現れる熊の姿は、まるで神秘的な生き物のようである。
天候に恵まれなかったからこそ得られた、一期一会の体験だったのかもしれない。
山を下りて
10時15分、約1時間の滞在を終えてロープウェイで下山した。
予定外のエサ代400円は出費だったが、息子と一緒に過ごした時間には代えがたい価値があった。帯広に暮らす彼とこうして行動を共にできる機会は、決して多くはない。だからこそ、この霧に包まれた登別クマ牧場の体験は、強く記憶に残った。
旅は計画通りにいかないからこそ面白い。霧の中のクマたちとの密談は、まさにそんな旅の醍醐味を象徴する出来事となった。
クマ牧場の基本情報
登別クマ牧場は、1958年に開園した北海道登別市にある国内屈指のクマ専門動物園。登別温泉街からロープウェイで約7分、標高550mの四方嶺山頂に位置し、70頭を超えるエゾヒグマたちが放牧されている。
世界初となるヒグマの多頭集団飼育に成功した施設として知られ、クマへのエサやり体験や「人のオリ」での至近距離観察、クマのアスレチックショーなどが楽しめる。
併設する世界唯一のヒグマ博物館やアイヌ資料館「ユーカラの里」では、ヒグマの生態や北海道の文化について学ぶことができ、展望台からは倶多楽湖や太平洋の絶景も望める。
項目 | 詳細 |
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正式名称 | のぼりべつクマ牧場 |
所在地 | 〒059-0551 北海道登別市登別温泉町224番地 |
電話番号 | 0143-84-2225 |
営業時間 | 4月21日~10月20日:9:00~17:00 10月21日~4月20日:9:30~16:30 |
休園日 | 年中無休(ロープウェイ法定検査による休園あり) |
入園料金 | 大人:2,650円、小人(4歳~小学生):1,350円、3歳以下:無料 ※ロープウェイ往復運賃込み |
駐車場 | 普通車:500円、大型:1,000円、オートバイ:200円 |
アクセス | 登別駅からバスで約25分、道央道登別東ICから車で約10分 |
運営会社 | 登別温泉ケーブル株式会社 |
開園 | 1958年7月17日 |
総面積 | 66,328㎡ |
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