【北海道#15-6】登別クマ牧場と新冠の名馬、襟裳岬の強風をめぐる旅

登別クマ牧場でえさを食べる子グマたち。雨上がりの地面で夢中になって顔を寄せ合っている。
ノマドマ

室蘭の旧駅舎や蒸気機関車、断崖絶壁の地球岬、登別クマ牧場でクマに餌やり、新冠ビッグレッドファームで名馬ゴールドシップと対面。襟裳岬の強風体験まで詰め込んだ北海道車中泊7日目の記録。
よければ、一緒に旅気分を味わってみてください。

道の駅カナスチールみたら〜旧室蘭駅舎〜旧三菱合資会社室蘭出張所〜地球岬〜チキウ岬灯台〜トッカリショ〜金屏風〜東室蘭駅〜登別クマ牧場〜新冠温泉〜新冠ビッグレッドファーム〜襟裳岬〜帯広

目次

明治の駅舎と断崖絶壁、そしてクマと名馬に出会った日

2025年夏の北海道車中泊の旅(Part15)
6日目:2025/08/07 運転時間:約8時間30分 走行距離:約316km

蚊取り線香の匂いと共にスタート

道の駅カナスチールみたらで5時半起床。朝から蚊取り線香を焚いていたせいで、タオルカーテンやシートカバーにしているTシャツまで、匂いがしっかり染み込んでしまった。

外はまだ静かで、旅の車内独特の空気が残っている。6時5分に出発し、6時10分にセブンイレブンでコーヒー。今回の旅はあまりコーヒーを飲んでいないなとふと思う。

旧室蘭駅舎とSLの記憶

力強い姿を見せるD51 560号機の正面。車輪や連結棒の造形が迫力を伝える
間近で見ると迫力満点。北海道の大地を駆け抜けた鉄の馬の存在感

6時15分、旧室蘭駅舎へ。北海道内で現存する最古の木造駅舎。明治45年から平成9年まで室蘭本線の終着駅としてにぎわっていた。

寄棟造りに漆喰壁、「がんぎ」と呼ばれるアーケードが残っており、白壁と木造のコントラストが美しい。隣にはD51 560形蒸気機関車。地球68周分にあたる273万kmを走った鉄の記憶がここに眠っている。

全国の支援を受けて保存されたこの機関車は、室蘭の歴史そのものだ。

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旧三菱合資会社室蘭出張所

旧三菱合資会社室蘭出張所を斜めから撮影した外観。格子窓が並ぶ大正ロマン漂う建物
斜めから望むと窓の配置がよく分かる。大正ロマンの雰囲気が色濃く残る

6時40分、旧三菱合資会社室蘭出張所を訪ねる。

大正4年の木造建築で、下見張りの外壁や格子入りの窓、電話室など当時の様式が残っている。

国策会社や鉱業の出張所として利用された建物。

今は横の土地が貸しに出されているようで、歴史と現在のギャップが妙にリアルだった。

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地球岬とチキウ岬灯台

地球岬と灯台

6時55分、地球岬に到着。断崖絶壁の上に立つ展望台から見下ろす太平洋。アイヌ語「チケプウシ(鳥がいる場所)」が転じたとされる地名。アイヌの人々にとってカムイの宿る聖地でもある。

晴れた日には駒ヶ岳や下北半島まで見えるらしいが、この日は小雨混じり。それでも100m級の断崖が続く海岸線に圧倒される。隣のチキウ岬灯台は1920年点灯の白い灯台。ここを通る船を今も見守り続けている。

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トッカリショと金屏風

7時25分、トッカリショ。かつてアザラシのような岩があったことから名づけられた磯。文化的にも「ピリカノカ」として指定され、アイヌ民族にとっても精神的に大切な場所。

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7時30分には「金屏風」。赤褐色の断崖に夕日が当たると黄金色に見えることから名づけられた。矢を射る習慣や月を射落とす伝説も残る、不思議な場所だった。

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東室蘭駅とボルタ工房

東室蘭駅の連絡通路から見下ろす線路群
わたれーるを渡ると広がる線路群。鉄道の町らしい光景。

7時50分、東室蘭駅に到着。自由通路「わたれーる」を歩いて、東口から西口までぐるりと回ってみる。名前の響きがどこか北海道らしく、ダジャレ感が可愛らしい。

駅ナカには「北海道四季彩館」があり、地域のお土産や「小舟の焼き鳥弁当」が並んでいる。室蘭といえば焼き鳥の街。数量限定の商品と聞けば、旅人としては思わず手を伸ばしたくなる。

さらに面白いのは「ボルタ工房」。ネジを組み合わせて作られた小さなオブジェやキーホルダーが所狭しと並んでいる。製鉄の街・室蘭らしい発想で、無機質な工業製品がちょっとした工夫でアート作品に変身していた。地域の特色を活かした商品開発に、思わず感心する。

そして最後、西口で目に飛び込んできたのは「室蘭満天花火」の派手なロゴ。室蘭は花火大会でも有名なのかと勝手に想像し、これはネタになるぞと胸を躍らせた。ところが真相は――まさかのパチンコ屋の宣伝。完全に一本取られた。

東室蘭駅での短い滞在は、便利な四季彩館、ユニークなボルタ工房、そして“満天花火”の罠。短時間ながら濃い裏話の詰まった駅探訪になった。

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登別クマ牧場

登別クマ牧場でえさを食べる子グマたち。雨上がりの地面で夢中になって顔を寄せ合っている。
登別クマ牧場の子グマたち。えさを探す姿が愛らしく、観客の心を和ませてくれる。

9時5分、登別クマ牧場。駐車場500円、入園料3000円。ロープウェイで山頂へ7分。

小雨と霧で倶多楽湖は見えなかったが、クマたちにエサを投げて夢中になる。

200円のエサ袋をつい2つも買ってしまった。展示物の充実ぶりは予想以上。10時15分出発。

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新冠温泉とビッグレッドファーム

優駿・ハイセイコー号の銅像。下部の石碑には経歴や功績が刻まれている。背景には牧場風の建物や道路、電線が広がる。
1970年生まれの競走馬・ハイセイコー号の銅像。地方競馬から中央競馬へと活躍の場を広げ、昭和の競馬ブームを牽引した名馬。

13時10分、新冠温泉。息子と一緒に訪ねる。

前浜産のたこ丼を注文。息子は海鮮あんかけご飯大盛。空腹にしみる味。

14時25分、新冠ビッグレッドファーム。ゴールドシップの馬舎前は人だかり。

雨上がりの匂いの中で名馬たちが静かに立っている。

撮影やSNSへのアップロードは禁止。ここではただ、目の前の馬たちをじっと見るしかない。

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襟裳岬の強風体験

石積みの壁に囲まれた襟裳岬「風の館」の入口
荒々しい岬の自然に溶け込むように建てられた「風の館」。ここで風速25mの体験やゼニアザラシの観察ができる。

17時20分、襟裳岬に到着。風の館で風速25mを体験。前に進めないほどの風に笑ってしまう。

スタッフさんに教えてもらい、望遠鏡でゼニアザラシを見ることもできた。伝説の岬はやはり只者ではない。18時に出発。

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帯広に帰還

広尾を経て帯広へ。虫の体当たりが激しくて車体が賑やかだった。20時15分、ホクレンで給油後に山岡家へ。

山岡家の味噌ラーメンと半チャーハンのセット
濃厚スープが特徴の山岡家味噌ラーメンに、香ばしいチャーハンを添えた王道の組み合わせ。旅先でも食べたくなる安定の一杯。

味噌チャーシュー麺とミニチャーハンを平らげ、帯広の拠点へ戻る。冷やしていたビールがまだ冷たいのに驚く。21時半、道の駅おとふけに停めて就寝。

今日もまた、歴史と自然と人の営みを一気に駆け抜けた。

ほな、また!

今回訪問したところ

旧室蘭駅舎

1912年建築の木造駅舎。北海道最古級の駅舎として保存されている。

旧三菱合資会社室蘭出張所

大正4年(1915年)建築の木造事務所。明治・大正期の建築様式が残る貴重な産業遺産。

地球岬

断崖絶壁の絶景スポット。太平洋を一望できる室蘭八景の一つ。

チキウ岬灯台

1920年点灯開始の白亜の灯台。太平洋の大パノラマを望む景勝地。

トッカリショ

「アザラシ磯」を意味するアイヌ語由来の景勝地。奇岩と荒波が織りなす絶景。

金屏風

赤褐色の断崖が夕日に映える景勝地。室蘭八景の一つで伝説も残る。

東室蘭駅

室蘭本線の主要駅。特急「北斗」の停車駅で、地域の交通拠点。

登別クマ牧場

登別温泉にある人気テーマパーク。ロープウェイで登るクマたちの楽園。

新冠温泉

太平洋を望む温泉施設。新鮮な海の幸と温泉が楽しめる。

ビッグレッドファーム

マイネル・ウイン軍団の拠点となる競走馬牧場。ゴールドシップなどの名馬を輩出し、一般向けの見学ツアーも行われている。

襟裳岬 風の館

日高山脈の最南端。風の館では強風体験ができ、ゼニアザラシの群生地としても有名。

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