【足寄】道の駅あしょろ銀河ホール21の松山千春さんの足跡の謎

北海道足寄町にある松山千春の記念碑。石碑には松山千春の顔が刻まれた円形のレリーフとともに、手形・足形・直筆サインが彫られている。詩が刻まれたモニュメント越しに、街並みと青空が広がる。
目次

真っ直ぐな道と北海道の朝

北海道の朝は、5時台でも空がすっきり澄んでいる。

国道274号線を足寄に向かって走ると、真っ直ぐな道と冷たい風が、ドリップしたてのコーヒーをさらに美味くする。

到着は6時10分、RVパークも併設された道の駅あしょろ銀河ホール21だ。

北海道足寄町にある「道の駅あしょろ 銘酒ホール21」の外観。円形のエントランスと白い外壁が特徴的で、自動販売機が並び、青空の下に立つ堂々とした建物。
道の駅あしょろ「銘酒ホール21」。どこか近未来的な外観に、足寄の青空がよく似合う。

町ゆかりの足跡が並ぶ光景

道の駅あしょろ銀河ホール21前に並ぶ多数の足形タイル。緑色のタイルに人々の足跡が型押しされ、金属プレートで名前が刻まれている。
道の駅あしょろ銀河ホール21の前庭に広がる足跡タイル。町ゆかりの人々の足形が整然と並び、訪れる人々を出迎える。

建物の前には、松山千春さんの歌碑と足型。周囲の歩道には、町ゆかりの人々の足跡がずらりと並んでいる。

名前も肩書きも、年齢も性別も違う足跡たちが、同じ高さで静かに並んでいるのが不思議な光景だ。

澄み切った青空の下、旧足寄駅舎に掲げられた「足寄駅 ASHORO STATION」の青い駅名看板とレトロなスピーカー。
道の駅あしょろ銀河ホール21に保存される旧足寄駅の駅名看板。往時の面影を色濃く残す。

動かない女性との出会い

駅舎は今やバスの待合所になっていて、朝6時から夜10時まで開放されている。

旧足寄駅舎を利用した待合室の内部。木製テーブルと椅子が並び、窓の外には線路と「あしょろ駅」の駅名標が見える。ベンチにはご年配の女性が線路の方を向いて座っている。
旧足寄駅舎の待合室。今はバスの待合所として開放され、旅人や地元の人が静かに時間を過ごす場所となっている。

そのベンチに、ご年配の女性がひとり、線路の方を向いて座っていた。

私が入っても、こちらを見ない。ピクリとも動かず、ただ線路の向こうを見つめている。

足寄の洒落心と足跡モニュメント

この足跡モニュメントは、足寄(あしょろ)の地名にかけた「足を寄せる=足跡を残す」という洒落心から生まれたそうだ。

観光客も町の人も、足を寄せて刻まれたその跡を踏みながら歩き、好きな人の足跡を探しては写真を撮る。

旧足寄駅舎のホーム跡と駅前に整然と並ぶ足形タイル。駅名標や信号機が残り、かつての鉄道の面影を伝えている。
旧足寄駅舎前に並ぶ足形タイル。ホーム跡や駅名標とともに、過去の鉄道時代を静かに物語る。
旧足寄駅舎前に並ぶ足形タイル。緑色のタイルに町ゆかりの人々の足跡が刻まれ、黒いプレートに名前が記されている。
旧足寄駅舎の前庭に残る足形タイル。地域の人々の歩みを記念するように静かに並んでいる。

松山千春さんの足型ももちろんある。手形もある。だが、緑のボタンを押しても曲は流れなかった。

道の駅あしょろ銀河ホール21にある松山千春さんの手形と足形のモニュメント。黒い石板に左手と右足の型が刻まれ、手形中央には緑色のボタンが埋め込まれている。
地元出身の歌手・松山千春さんの手形と足形モニュメント。道の駅あしょろ銀河ホール21の象徴的な展示。

見つからない足型も物語の一部

澄み渡る青空の下に建つ旧足寄駅舎の全景。黒い木造の外壁に「足寄駅 ASHORO STATION」の駅名看板が掲げられ、正面には赤い丸型ポストが置かれている。
青空に映える旧足寄駅舎の全景。

「足を寄せて、記憶を刻んでいってくれ」──町のそんな想いを感じながら、私は足跡を一つひとつ見て回る。

けれども千春さんの足型は、群像の中から見つけられなかった。

たぶん、こういう“見つからない感じ”も、物語としては悪くない。

夏の匂いと次の目的地へ

6時50分、日が高くなって気温も上がり始める。

足寄の空気はすでに夏の匂いをまとい、次の目的地・陸別へ向けてハンドルを切った。

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