偶然の出会い ― 駐車場満車から始まった純の番屋訪問
13時、道の駅羅臼に寄るつもりが、駐車場はまさかの満車。仕方なくそのまま通り過ぎた直後、「北の国から純の番屋」という看板が目に飛び込んできた。
最初は「観光客向けの食堂だろう」と通り過ぎたが、心のどこかで引っかかり、500m先で思わずUターン。13時10分、純の番屋に到着。
入口脇のメニューを開けば、いくら丼やうに丼、らうす丼など、羅臼の海の幸がずらりと並ぶ。

木造の建物が放つ空気感に、思わず足が止まる。昼の献立はノンアルコールビール、つぶ貝の刺身、そして海鮮丼。観光の合間に立ち寄ったはずが、気がつけば羅臼の海と物語の世界の両方を味わう時間になっていた。

ドラマが残した“純の番屋”という風景

羅臼の港町に佇む「純の番屋」は、フジテレビの人気ドラマ『北の国から 2002遺言』で、主人公・純(吉岡秀隆)が暮らした番屋を再現した建物だ。
木の香りと潮の匂いが混じるその空間は、ただの観光施設ではなく、物語の余韻と現実の漁師町の空気が同居している。

北海道の漁業文化を語る番屋の歴史
番屋とは、漁師が浜辺に建てる作業場兼宿泊所のこと。
北海道のニシン漁が最盛期だった頃、浜には見張りのための番屋が並び、豪壮な建物は「ニシン御殿」と呼ばれた。
羅臼でも昆布漁の季節になると、船でしか行けない浜に漁師の家族が移り住み、夏の間、昆布漁に明け暮れる暮らしがあった。
レプリカ誕生の背景と現在の姿
ドラマの撮影に使われた本物の番屋は、羅臼町相泊地区からさらに奥のカムウェンベ地区にあった。
しかし、観光客が漁業作業を妨げたり、住民の敷地を通らなければ行けないなど、現地訪問には問題があった。
そこで2003年11月、羅臼町観光協会がボランティアを募り、市街地に観光客向けのレプリカを建設。それが今の「純の番屋」である。
現在は舟木水産の直営食堂として営業し、地元の海鮮を良心的な価格で味わえる場としても人気だ。
物語の舞台を訪ねながら、羅臼の海の幸を堪能できる、まさに“味と物語の交差点”である。
純の番屋 基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
正式名称 | 純の番屋 |
所在地 | 北海道目梨郡羅臼町市街地(国道沿い) |
建設年 | 2003年11月 |
建物種別 | レプリカ(復元建築) |
現在の用途 | 食事処(海鮮料理店) |
運営会社 | 舟木水産(直営店) |
営業開始 | 2005年 |
関連作品 | 「北の国から2002遺言」 |
原型所在地 | 北海道目梨郡羅臼町相泊(カムウェンベ地区) |
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