富内銀河ステーションで列車車中泊!新冠温泉から急転の一日

北海道むかわ町の富内銀河ステーション。保存された青い客車と、隣に駐車する白い軽バン。背景には緑の芝生と山並みが広がる。
目次

橋撮り途中でまさかの方向転換

富内駅の駅名標。「とみうち」「TOMIUCHI」と表記され、左に「ほろけし」、右に「ほべつ」の案内がある。背景には木立と駅舎が見える。
富内駅に残る駅名標。隣駅「幌毛志」と「穂別」への案内も記されている。

12時5分、天馬街道の豊美大橋でカメラを構える。

本当は緑陽大橋を狙ってたのだが、まあこれも悪くない。続いて博清橋も撮影完了。

空が晴れてきて気分も上々。13時半にセブンイレブンでコーヒーを調達しながら、ふと思い出したのが富内銀河ステーション。

「そうや、夜に行く予定やったけど、今から連絡してみよか」

電話してみると、なんと条件が完璧すぎる。

急遽決定!列車での宿泊プラン

時刻は14時。富内銀河ステーションに確認すると、携帯はバリバリ圏内、電源使用可、車両での飲食・飲酒もOK、近くに風呂まである。

「これだけ揃ってたら、行かない理由が見つからん!」

新冠温泉の予定を急遽変更。これぞ車中泊旅の醍醐味である。

14時7分、道の駅サラブレッドロード新冠に到着。さすが8月の連休中日、駐車場は激混み。初めて一番端っこまで追いやられた。

優駿・ハイセイコー号の銅像。下部の石碑には経歴や功績が刻まれている。背景には牧場風の建物や道路、電線が広がる。
道の駅サラブレッドロード新冠のハイセイコー号の銅像。

隣接のセコマで今夜の晩酌の食材を調達。豚丼、150円シリーズの惣菜数個、炭酸2本、氷2kg、チーズ、ちくわ。

お酒は「すぐできるチューハイ」にしようかと思ったが、なんか味気ない。今日は小瓶のトリスウイスキーやな。

いざ、富内銀河ステーションへ

14時55分、日高富川インターを降りて残り41km。237号線を北上し、平取町を通過。

平取町ってユーカラ(アイヌの長編叙事詩)とすずらんの町なのである。勉強になる。

15時17分、給油で272kmに対して15L(2800円)。燃費は良好だ。

沙流ユーカラ街道を走っていると、15時33分にむかわ町へ突入。山の影でキタキツネに遭遇。

先日は鹿が中央分離帯を越えてきたし、マジで動物注意報発令中である。

15時42分、鵡川にかかる富内橋(とみうちはし)を撮影。味ある橋やわ。あとで取材して橋物語ブログに掲載確定。

富内橋の橋名板と欄干、背景に鵡川の河川敷と緑豊かな山々が広がる風景
15時42分に撮影した鵜川にかかる富内橋。

到着!そして衝撃の光景

15時48分、ついに富内銀河ステーション到着。

青い塗装が剥がれ、経年劣化の跡が残る古い客車。窓には青みがかったガラスが並び、側面にはかつての黄色いラインがかすかに残っている。
歴史を刻む古い客車。静かに線路脇に佇み、過ぎ去った時代を物語っている。

車を降りた瞬間、アブとブヨの猛攻撃。でもそれより衝撃的だったのが廃車の群れ。

ジムニー三兄弟とミニパジェロ1台が、まるでモニュメントのように佇んでいます。なかなかシュールな光景。

富内銀河ステーション前、引退ジムニー4兄弟
廃車になっても、仲間と並ぶ。富内のジムニーたち
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しばしジムニーたちを観察したあと、鉄道、線路、駅、車内を撮影。

北海道むかわ町の富内銀河ステーション構内に残る木製跨線橋跡。線路の上に階段が架かり、廃線当時の鉄道風景を今に伝えている。
線路をまたぐ木製の跨線橋跡。
北海道むかわ町の富内銀河ステーションに保存された青い客車の内部。窓が並ぶ車内には畳とカーペットが敷かれ、布団や座卓が置かれた宿泊用スペースとして活用されている。
畳と布団が整えられた、富内銀河ステーションの客車宿泊スペース。
北海道むかわ町の旧富内駅駅舎。赤い屋根と水色の外壁が特徴的で、正面には「富内駅」の駅名看板が掲げられている。
赤い屋根が印象的な旧富内駅駅舎。
富内駅舎内の旧駅長室。木製カウンターや運賃表、鉄道ランプ、古い看板や掲示物が残され、昭和時代の雰囲気を漂わせている。
保存された富内駅の旧駅長室。使い込まれた備品や掲示物が当時の空気を伝えてくれる。

ふじ屋のお母さんとの攻防戦

車両から40mほど離れたふじ屋さんへ。宿帳に名前を書くと、昨日も宿泊者がいた模様。意外と人気スポットかも。

北海道むかわ町の富内銀河ステーション利用時に料金を支払う「ふじ屋商店」。青いシャッターと白い外壁が特徴で、店先には自動販売機が置かれている。
富内銀河ステーションの料金支払いを行う、ふじ屋商店。

今日は私一人だけのようです。

ふじ屋のお母さんとの世間話が止まらない。

宿泊費を払おうと1000円札を握りしめて待つこと10分。ようやく会計タイム。

「500円のところ、1000円しかないんですけど、お釣りありますか?」

「はいはい」

1分後…

「こまかいのないわ(笑)」

結局、自動販売機でコーヒーを買って1000円を崩し、ようやく支払い完了。こういうやり取りも旅の味わいやね。

念願の温泉タイム

16時40分、車を列車に横付けして温泉へ。

北海道むかわ町の富内銀河ステーション。保存された青い客車と、隣に駐車する白い軽バン。背景には緑の芝生と山並みが広がる。
青い客車と旅の相棒。
富内銀河ステーション前にある木造平屋建ての高齢者生涯センター。三角屋根の中央には時計が掲げられ、ガラス窓が並ぶ外観が特徴。
富内銀河ステーション前に建つ、高齢者生涯センターの木造施設。

隣の木造建物まで芝生の丘を登って徒歩1分。「高齢者生涯センター」という建物で、平日の火・木・土は15時から20時、日曜は13時から20時が入浴時間。

300円を払って中へ。和室の休憩室もあり、窓から列車が見えるという贅沢な景色。

「ええ湯加減やわ〜」

17時に上がり、いよいよ晩酌の準備開始。

列車内ノマドワークの極致

17時20分、povo使い放題をポチ。下り43Mbps、上り14.2Mbpsの好成績!

富内橋横の電波塔の威力でしょうね。

セイコーマート戦利品を並べて、いざ乾杯。サッポロクラシック、トリスミニボトル、氷、炭酸、豚丼×2、小樽ちくわ、切れてるチーズ、北のポテトサラダ、べったら漬け、ソーセージタコスソース、北海道産ポテトのコロッケ。

車両内のテーブルに並ぶ晩酌セット。トリスウイスキー、サッポロクラシック、総菜やおつまみがずらりと並ぶ。
富内銀河ステーションの車両で迎える夜。トリスとクラシックで乾杯し、北海道の味とともにゆったりとした時間を楽しむ。

18時半から雨が降り始める。

誰もいない電車内で酒を飲みながらパソコンを開く非日常感。これ、完全にしびれます。

古い客車を改装した車内に置かれた木製テーブルと椅子。テーブルにはノートパソコンが開かれ、窓の外には緑の景色が広がる。奥には布団や座椅子、掃除機などが置かれ、生活感が漂う。
客車内でノマドワーク。窓からの景色と列車の雰囲気が作業時間を特別なものにしてくれる。

外が徐々に暗くなる時間帯は、電気をつけた車内とのコントラストを楽しみながら杯を重ねる至福のひととき。

夜の撮影と予期せぬ雨宿り

20時10分、夜の撮影に出発。

ライトに浮かび上がる駅舎、車両、そして愛車。昼間とは全く違う、湿った空気と静けさが場を支配しています。

富内銀河ステーションのホームと駅舎を青い夕景に包んだ夜景写真
一日の終着点、静かな青の時間に佇む富内銀河ステーション

ところが5分後、小雨が本降りに急変。

慌てて駅舎の待合室に駆け込み、木のベンチで雨宿り。窓の外では光に照らされた雨粒が絶え間なく落ち、列車の窓明かりだけがぽつりと浮かんでいる。

暗い駅舎の待合室。木製の長いベンチが並び、入口のガラス戸越しに外の光と雨粒がかすかに映っている。
人気のない駅舎の待合室。木のベンチに腰掛け、雨宿りをしながら外の灯りを眺める。
夜の闇の中、車内に灯りがともった古い客車が静かに停まっている。外は雨で、列車の窓明かりだけが周囲を柔らかく照らしている。
闇夜に浮かぶ客車の窓明かり。雨粒を照らしながら、静かに時を刻んでいる。

傘も差さず、ただ雨音を聞きながら過ごす時間。

富内の夜は、予定通りいかないからこそ、記憶に残るんやね。

21時40分、雨が上がったので再び夜の撮影にチャレンジするも、うまくいかず。

まあ、こんな日もあります。

しばらく仕事を続けましたが、いい感じでアルコールも回ってきたので24時に就寝。

北海道むかわ町の富内銀河ステーションの夜景。廃線ホームの車両窓辺に置かれたウイスキー「トリス」の瓶と、灯りがともる駅舎が幻想的に映る。
夜の銀河ステーションに浮かぶトリス瓶と駅舎の灯り。

新冠温泉のつもりが、まさかの列車車中泊。

こんな急展開も車中泊旅の楽しさの一つ。計画は未定、行き当たりばったりが一番。

ほな、また明日!

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