【北海道・日高】朝焼けと濃霧、昆布と馬と、雨上がりの帰路

道の駅しかおいから移動中、木立の向こうに昇る柔らかな朝日と広がる空

道の駅鹿追〜芽室駅〜新嵐山展望台〜忠類〜歴舟川〜浦河・翠明橋公園〜三石・昆布浜〜新冠温泉〜道の駅サラブレッドロード新冠〜道の駅むかわ〜大川原パーキング〜新千歳空港

ノマドマ

北海道の春、道の駅鹿追を夜明け前に出発し、朝焼けの畑、濃霧の展望台、潮の香る昆布浜、雨上がりの牧場、そして新冠温泉まで。全ての道に物語があった一日の記録。
よろしければ、一緒に旅気分を味わってみてください。

2025年春の北海道車中泊の旅(Part13)
6日目:2025/06/26
運転時間:約5時間 走行距離:約280km

目次

夜明け前の鹿追を出発

道の駅鹿追で目が覚めたのは3時半。北海道の6月の夜明けは早く、既に空は白み始めていた。車内で簡単に身支度をして、鹿追南町のセブン-イレブンに立ち寄り、コーヒーとスイートポテトパイを手にした。コーヒーの香りが運転席いっぱいに広がり、甘いパイをかじりながら出発するのが自分流の朝だ。

4時15分、鹿追から新嵐山展望台へ向かう道中、朝日が顔を出し、畑の上をオレンジ色に染めていった。畑の緑と朝日のグラデーションは、何度見ても飽きない。

濃い木立のシルエットの上に力強く昇る朝日、道の駅しかおいから移動中に撮影
旅の朝、木立を突き抜けるように昇る力強い朝日。道の駅しかおいから出発し、新嵐山展望台に向かう途中で出会った一瞬。

少し走ると濃い霧に包まれ、視界が一気に狭まる。芽室駅に寄ったのは4時50分。小さな駅舎の前でしばし休み、「今度は芽室から帯広まで電車に乗ってみようか」と思いながら駅を後にした。

芽室駅前の広場、時計塔とモニュメントが立つレンガ敷きの駅舎前
芽室駅の駅前広場。時計塔のある可愛らしい駅舎と、葉をかたどったモニュメントが出迎えてくれる。

新嵐山スカイパーク展望台と雨

新嵐山スカイパーク展望台の看板と木造の展望塔、階段を上った先に広がる空
新嵐山スカイパーク展望台。看板越しに見える木造の展望塔と、刻々と色を変える空が印象的だった。

5時45分、新嵐山スカイパーク展望台に到着。ここは畑のパッチワークが美しい場所だが、ややガスっていてほんの少し小雨も混じった。それでも、見下ろす畑の模様は見事で、しばらく言葉を失う。

新嵐山スカイパーク展望台から見下ろした、霞がかった畑のパッチワーク
ガスの向こうに広がる畑のパッチワーク。淡い色彩が溶け合い、静かな感動を覚える風景。

6時45分頃、ローソンで自然解凍のおこわおにぎりをレンチンして朝ごはんにした。やはり北海道の米は旨い。

7時前、広尾方面への無料区間の高速に乗る。雨が強まったのはそれから10分後。7時15分、忠類で降りて「道の駅 虫類」で休憩。

道の駅 忠類の正面入口、看板やキャラクターイラストが並ぶ建物
「道の駅 忠類」に到着。愛らしいキャラクターと石造りの外観が迎えてくれる。

去年の4月末に来たときは、歴舟川にたくさんの鯉のぼりが泳いでいたが、今年はシーズンが過ぎていた。それでも川沿いは清々しく、車を停めて深呼吸した。


馬たちの朝と海の香り

天馬街道を走ると、元農林水産大臣の中川一郎さんの生誕の地を知らせる看板が見えた。歴史の重みを感じつつ、8時半に浦河へ。

翠明橋公園で湧き水を手ですくい、顔を洗い、ペットボトルに詰めて飲む。キンと冷たい水が喉を通り抜け、頭の中がクリアになった。

翠明橋公園の湧き水が流れ落ちる蛇口と岩場、木々に囲まれた水場
翠明橋公園の湧き水。手ですくい、顔を洗い、飲み干すと頭の中が澄みわたるようだった。

馬牧場では、朝の草をむしゃむしゃ食べる馬たちがいて、なんとも穏やかな気持ちになった。

9時45分、ようやく太陽が顔を出した。海岸沿いを走ると潮の香りがほんのり漂い、車内に入ってくる。三石の昆布浜に着いたのは10時5分。

三石の昆布浜、岩場にびっしりと黒光りする昆布と白っぽい部分が混じる様子
三石の昆布浜。岩場にびっしりと張り付いた黒い昆布と、乾きかけた白っぽい部分が、潮の香りと共に広がる。

浜の岩場には黒光りする昆布がびっしり。白っぽいのは乾き始めた表面か、それとも根の部分か。浜風の匂いと共に、しばし見とれる。


新冠温泉でノマドワーク

雨がまた強くなり、10時45分、新冠温泉に避難するように飛び込む。ここは500円で、Wi-Fiは爆速。下り88、上り64という、北海道とは思えぬ快適さ。ルイボスティーが飲み放題なのも嬉しい。11時半には備え付けのパソコンスペースでノマドワーク。静かで清潔な空間がありがたかった。

12時にはレストランであんかけ海鮮飯を頼み、ホロシリ牛乳とクロワッサンラスクも追加。お腹がパンパンになり、眠気に襲われるほど。

新冠温泉のレストランで注文したあんかけ海鮮飯。野菜と海鮮がたっぷり入ったとろみのある餡がご飯を覆い、香ばしい胡麻が散らされている。
新冠温泉の名物、あんかけ海鮮飯

最後の寄り道、そして帰路

14時過ぎ、道の駅サラブレッドロード新冠のNiKKAP KITCHENで規格外の日高昆布を買い足す。

15時半には道の駅むかわへ。明るい時間に訪れるのは初めてだった。駐車場は満車で、温泉客も多そうだ。

道の駅むかわの正面入口の写真。自動ドアには「むかわ道の駅」と書かれ、営業時間案内やソフトクリームの看板が並び、施設の雰囲気がわかる。
道の駅むかわに到着

チラシにおすすめされていた白い恋人ソフトクリームを食べると、甘さと冷たさが雨で湿った身体に沁みた。

手に持ったカップに盛り付けられた白い恋人のミックスソフトクリーム。チョコとバニラが美しく渦を巻き、背景には「白い恋人ソフトクリーム」と書かれた看板が見える。
白い恋人ミックスソフトクリーム

むかわ竜、ししゃも、鈴木章先生、スピードスケートの田畑真紀さん…この町は物語が多い。お土産にじゃがポックルも買った。

16時、ETCカードを抜いて長期駐車の準備を始める。雨はまだ止まない。16時50分、空港近くのパーキングで車を遮光して駐車。17時過ぎに送迎車で新千歳空港へ向かう。

車中泊仕様の車内を前方から撮影した写真。運転席と助手席の窓にはカラフルなブランケットやカーテンが貼られ、日差しや視線を遮るように工夫されている。暗く落ち着いた空間が確保され、長時間駐車や仮眠に備えた遮光対策がしっかりと施されている様子。
運転席まわりの遮光対策

飛行機のハイボールと大阪の夜

新千歳には17時8分着。飛行機は20分遅れたが、その間にハイボールとじゃがポックルを楽しむ。帰りの飛行機だけでしか味わえない、ちょっとしたご褒美。

飛行機のテーブルに並べられたじゃがポックルの袋と缶のハイボール、そして電子書籍リーダー。20分の遅れの間に、北海道の名物おつまみとお酒を楽しみながら、帰りの機内でほっとひと息つく様子が伝わる。
機内で味わうご褒美タイム

20時52分、関空にタッチダウン。21時22分のリムジンバスで大阪駅へ、23時7分のバスで帰宅。

風呂に入ると、体脂肪率が25に。年齢表示も初めて50を切り、47歳と出た。帰宅して玉子焼きとコロッケをつまみながら、北海道の空気をまだまとったまま、一日を締めくくった。

ほな、また!

今回訪問したところ

道の駅しかおい

「しかおい」国道を利用する様々な人々に、花で飾った町並みのフラワーロードが迎え入れ。
休憩時には、隣接する神田日勝記念美術館での芸術鑑賞も楽しみ。
人と花、そして文化が交流し、また立ち寄りたい道の駅。
周辺には、体験観光や地元産の農産物を提供する農村レストランやファームインでの食事や宿泊で満喫出来そう。

道の駅虫類

太古の歴史が息づく地。ナウマン象と温泉が人気を集める道の駅。

新冠温泉

新冠温泉ホテルヒルズは、太平洋を望む新冠町の高台にある天然温泉のロッジ風ホテル。
日帰り温泉は500円。

道の駅サラブレッドロード新冠

「レ・コード館」の優駿の塔がランドマークになっている、競走馬たちのふるさとに建つ道の駅。
サラブレッド銀座もすぐ近く。

道の駅むかわ

200台の駐車場と健康増進を目的をとした温浴施設を完備。
鈴木章記念ギャラリーやスピードスケートの田畑真紀さんのメダルや賞状なども展示されています。

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